【PMDA承認情報】2025/12/22 医薬品承認一覧
| 製品名 | 承認区分 | 効能効果 | PMDA |
|---|---|---|---|
| アクーゴ脳内移植用注 | 不明 | 詳細 |
2025年10月、PMDAは再生医療等製品1品目の承認事項一部変更を承認しました。外傷性脳損傷に対する再生医療等製品「アクーゴ脳内移植用注」について、条件及び期限付承認時に課された品質同等性に関する承認条件が充足されたと判断され、出荷制限が解除されました。これにより、同製品が実際に臨床現場へ供給される道が開かれた点が最大のポイントです。
アクーゴ脳内移植用注(バンデフィテムセル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | アクーゴ脳内移植用注 |
| 一般的名称 | バンデフィテムセル |
| 申請者 | サンバイオ株式会社 |
| 類別 | ヒト細胞加工製品(ヒト体性幹細胞加工製品) |
| 承認区分 | 承認事項一部変更承認(条件及び期限付承認の承認条件変更) |
| 効能・効果 | 外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善 |
| 承認の期限 | 7年 |
今回の承認で何が変わったのか
アクーゴ脳内移植用注は、ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞にNotch-1細胞内ドメイン遺伝子を導入した再生医療等製品(SB623)であり、すでに条件及び期限付承認を取得していました。
しかし、承認時の条件として治験製品と市販製品の品質同等性/同質性が確認されるまで出荷を行わないことが課されており、実質的に臨床現場への供給は止まった状態でした。
今回の一部変更承認により、PMDAは以下を認めました。
- 治験製品と市販製品の品質同等性/同質性が確認されたと判断
- これに伴い、出荷制限に関する承認条件が対応済みとして整理された
つまり、従来は承認されていても出荷できなかった本製品が、今後は実際に医療機関へ供給可能になったという点が、今回の承認変更の核心です。
製品の概要と臨床的位置づけ
本品は、外傷性脳損傷(TBI)に伴う慢性期の運動麻痺を対象とした世界初の再生医療等製品です。TBI慢性期の運動麻痺に対しては、従来リハビリテーション以外に有効な治療選択肢がほとんどなく、大きなアンメットニーズが存在していました。
用法・用量のポイント
- 定位脳手術により、損傷組織の周辺部に直接移植
- 生細胞 5×10⁶個(300 μL)を、頭蓋骨の小孔1箇所から3つの移植経路で注入
- 1経路あたり100 μL、最深部から5〜6 mm間隔で5箇所に各20 μL移植
- 注入速度は約10 μL/min
- 専用投与機器セットおよび専用調製液を使用
継続中の承認条件
出荷制限は解除されましたが、以下の承認条件は引き続き維持されています。
- 使用施設・医師の限定 — 緊急対応が可能な医療施設で、TBIの診断・治療および定位脳手術に十分な知識・経験を持つ医師のもとでのみ使用すること
- 全例調査 — 条件及び期限付承認期間中、使用する全症例を対象に製造販売後承認条件評価を実施すること
- 品質管理戦略の継続改善 — 作用機序を反映する生物学的特性に関する情報収集を継続し、品質管理戦略の改良を行うこと
安全性に関する留意事項
審査報告書では、プラスミドベクター由来の導入遺伝子(NICD遺伝子およびネオマイシン耐性遺伝子)がSB623のゲノムに組み込まれていることが確認されています。PMDAは、非臨床試験および臨床試験の結果からゲノム組込みに起因する安全性上の懸念は現時点で認められていないと判断しつつも、以下の潜在的リスクについて使用成績調査で継続的に検討する方針です。
- ゲノム組込みに起因する造腫瘍性
- ネオマイシン耐性遺伝子由来タンパク質に起因する免疫原性
薬局・医療機関での実務への影響
本製品は定位脳手術を伴う高度な再生医療であり、一般の薬局業務に直接的な影響はありません。ただし、TBI患者やそのご家族から新たな治療選択肢について相談を受ける可能性があります。条件及び期限付承認の製品であること、使用可能な施設が限定されていることを正確に情報提供できるよう把握しておくことが重要です。