承認情報PMDA承認事項一部変更

【PMDA承認情報】2026/06/08 医薬品承認一覧

製品名 承認区分 効能効果 PMDA
ソーティクツ錠6 mg 承認事項一部変更 既存治療で効果不十分な下記疾患○乾癬性関節炎 詳細

今回の承認では、TYK2選択的阻害薬であるソーティクツ錠6 mg(デュークラバシチニブ)に乾癬性関節炎の適応が追加されました。既存の生物学的製剤やJAK阻害薬で効果不十分な症例に対し、新たな治療選択肢が広がります。尋常性乾癬・膿疱性乾癬に続く適応拡大であり、皮膚科・リウマチ科領域にまたがる患者管理への影響が見込まれます。用法・用量は従来の6 mg 1日1回経口投与と変わらず、切り替え時の調整は不要です。


ソーティクツ錠6 mgデュークラバシチニブ)— 乾癬性関節炎への適応追加

承認区分: 承認事項一部変更(新効能)

追加効能・効果: 既存治療で効果不十分な乾癬性関節炎

今回の変更点

ソーティクツ錠6 mgは2022年9月に尋常性乾癬・膿疱性乾癬・乾癬性紅皮症で承認されたTYK2阻害薬(JAKファミリー)である。今回の一部変更承認により、乾癬性関節炎(PsA)が適応として追加された。国内においてTYK2阻害薬がPsAに対して承認されるのは本剤が初めてであり、JAK阻害薬・生物製剤に続く新たなクラスの経口PsA治療薬として位置づけられる。

用法・用量に変更はなく、引き続き1回6 mg、1日1回経口投与

臨床的位置づけと主要エビデンス

対象患者はNSAIDs・csDMARDsで効果不十分または不耐容、かつ疾患活動性を有するPsA患者。2つの第III相試験が承認の根拠となっている。

IM011055試験(国際共同・日本含む、生物製剤未治療またはTNF阻害薬効果不十分例)では、16週時のACR20達成率が本剤群54.2%に対しプラセボ群39.4%(差14.8%、p=0.0002)。日本人部分集団でも全体集団と概ね同様の傾向が確認された。

IM011054試験(海外、生物製剤未治療例)では16週時ACR20が本剤群54.2% vs プラセボ群34.1%(差20.0%、p<0.0001)。さらに同試験ではX線によるPsA-modified SvdHスコアで関節構造的損傷の進展抑制傾向が16週・52週を通じて示されており、機能的改善を超えた疾患修飾効果も期待される。

皮膚症状についても、PASI75達成率(16週時、IM011055試験)は本剤群40.9% vs プラセボ/本剤群15.4%と良好であり、皮疹合併例への対応も可能。

安全性と処方上の注意点

安全性プロファイルは既承認の乾癬患者と同様であり、新たなリスクシグナルは確認されていない。ただし以下の点に留意が必要である。

  • 感染症リスク: 重篤な感染症・真菌感染症・帯状疱疹に注意。コルチコステロイド併用時は感染症発現割合が高くなる傾向があり、免疫抑制療法との併用時は特に慎重に管理する。投与前の結核感染スクリーニングが必要。
  • 重篤な過敏症: RMPの重要な特定されたリスクとして設定され、添付文書の重大な副作用に新たに記載された。
  • 生物製剤・JAK阻害薬との併用は避けること: PsA適応を有する生物製剤およびJAK阻害薬との併用に関するデータがなく、重篤な感染症リスクの増加が懸念される。
  • 治療反応は通常24週までに得られることから、24週時点で効果不十分な場合は継続の是非を慎重に判断する。

臨床現場へのインパクト

PsAの治療体系においてTYK2阻害薬という新カテゴリーが加わることで、csDMARDs無効後・生物製剤導入前の段階に経口かつ機序的に差別化された選択肢が生まれる。既存のJAK阻害薬(トファシチニブ、ウパダシチニブ等)との明確な位置づけの差異については、製造販売後データの蓄積と関連学会での議論が待たれる段階であり、PMDAも「臨床的位置づけについて今後さらに検討が必要」としている点に注意が必要である。