【2026年】調剤報酬の併算定不可一覧|薬局で同時に取れない加算・管理料を告示と疑義解釈で整理

「これ、一緒に取れたっけ?」を1ページで引けるようにする

2026年6月の調剤報酬改定で、薬局の加算はかなり組み替わりました。重複投薬・相互作用等防止加算がなくなって、調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算に分かれた。かかりつけ薬剤師指導料も廃止されて、フォローアップ加算と訪問加算が生まれた。在宅には医師との同時訪問や複数名訪問の点数が増えた。

新しい点数が増えると、必ず増えるのが「この2つ、同時に取れるの?」という疑問です。

ぼくは薬局で8年働いて、そのうち5年は管理薬剤師兼薬局長でした。改定直後の窓口で本当に困るのは、新設加算の要件そのものより、こういう組み合わせの判断だったりします。しかも答えが点数表、留意事項通知、疑義解釈、介護保険との給付調整の通知にバラバラに書いてある。

そこで今回、令和8年度改定の調剤点数表(告示)・留意事項通知・施設基準告示・疑義解釈その1〜その13・給付調整の告示と通知を読み直して、「同時に算定できない」と書かれているものを全部拾い出しました。この記事はその一覧です。

3秒まとめ

  • 厚労省は留意事項通知の最後に「別表1」という公式の可否表を載せている。薬学管理料どうしの判断は、まずここを見るのが早い
  • 返戻につながりやすいのは、情報提供料の二重取り(特管2・吸入薬指導加算・調剤後薬剤管理指導料・在宅移行初期管理料はどれも服薬情報等提供料と併算定不可)と、かかりつけ新加算の「同月不可」
  • 在宅では「同月不可」「同日不可」「いずれか一方」が混在している。在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月は、服薬管理指導料・外来服薬支援料1・服薬情報等提供料が原則取れない
  • 逆に、残薬調整加算+服薬情報等提供料1や特管3+特管1・2は算定できる。「不可だろう」と思って取りこぼしやすい組み合わせ

⚠️ 本記事は2026年10月11日時点の告示・留意事項通知(6月19日訂正後)・疑義解釈(その13まで)・10月7日の一部訂正にもとづいています。表は原文を要約したものです。算定の最終判断は、記事末尾の原典と管轄の地方厚生(支)局で確認してください。

改定の全体像は【2026年調剤報酬改定】薬局が知るべき全変更点に、疑義解釈の論点別の解説は疑義解釈まとめ(その1〜その7)にまとめています。


まず見るべき公式の一覧:留意事項通知「別表1」

一覧を作り始めてしばらくしてから気づいたんですが、厚労省自身が「服薬管理指導料等を算定する場合における他の薬学管理料の算定の可否」という表を出しています。調剤点数表の留意事項通知(PDF 67〜68ページ)の別表1です。

読み方は、縦軸が「同時に取りたい点数」、横軸が「その日に算定する服薬管理指導料や在宅の指導料」。○なら算定可、×なら不可。

全部で22行×10列あってスマホでは読めないので、×が付いている組み合わせだけを抜き出しました。

同時に取りたい点数×(算定不可)になる指導料
特定薬剤管理指導加算1・2・3服薬管理指導料4のロ・4のハ、在宅の各指導料(在宅患者訪問・緊急訪問・緊急時等共同・訪問薬剤管理医師同時)
吸入薬指導加算同上
乳幼児服薬指導加算在宅の各指導料(4のロ・4のハは○)
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・訪問加算1のロ・2のロ(※)、服薬管理指導料3、4のイ〜ニ、在宅の各指導料。○は1のイ・2のイだけ
服用薬剤調整支援料21のロ・2のロ(※)、服薬管理指導料3
外来服薬支援料1服薬管理指導料4のロ・4のハ、在宅の各指導料
服薬情報等提供料1・2・3在宅の各指導料
在宅移行初期管理料在宅患者訪問薬剤管理指導料1以外のすべて
複数名薬剤管理指導訪問料在宅患者訪問薬剤管理指導料1・緊急訪問薬剤管理指導料以外のすべて
乳幼児加算・在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算・在宅中心静脈栄養法加算服薬管理指導料(1〜4)。これらは在宅の指導料の加算

※ かかりつけ薬剤師が指導や訪問を行い、その後の服薬管理指導を同じ薬局の別の薬剤師が行った場合は併算定できる(別表1の注記。疑義解釈その2 問21・問23も同旨)。

反対に、すべての列で○なのは、調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算、麻薬管理指導加算、小児特定加算、外来服薬支援料2、服用薬剤調整支援料1、調剤後薬剤管理指導料1・2、経管投薬支援料です。

ただし別表1は「指導料と加算・管理料の組み合わせ」の表です。加算どうし(特管2と服薬情報等提供料など)や、調剤基本料・薬剤調製料まわりの制限は載っていません。そこを埋めるのが、以下の一覧です。


一覧① 調剤基本料・体制加算

組み合わせ判定条件・範囲根拠
調剤基本料1・2・3・特別A・特別Bいずれか一方届け出た区分で、受付1回につき1つ告示 区分00 注1・注2
同じ医療機関・同じ医師の処方箋を同日に複数枚受付1回にまとめる同一医療機関の一連の診療に基づく処方箋も同じ。歯科と歯科以外は別に数えられる留意事項 区分00 1(2)
特別調剤基本料B + 地域支援・医薬品供給対応体制加算/連携強化加算/バイオ後続品調剤体制加算/在宅薬学総合体制加算/電子的調剤情報連携体制整備加算不可体制加算はすべて対象外告示 区分00 各注、留意事項 区分00
特別調剤基本料B + 調剤管理料・服薬管理指導料などの薬学管理料不可調剤管理料、服薬管理指導料、かかりつけの両加算、外来服薬支援料1・2、服用薬剤調整支援料2、服薬情報等提供料、在宅の各指導料、経管投薬支援料、退院時共同指導料まで、留意事項通知の各区分に「特別調剤基本料Bの薬局は算定できない」と書かれている留意事項 各区分
特別調剤基本料A + 連携強化加算条件付き不可特別な関係にある医療機関が感染対策向上加算等を届け出ている場合告示 区分00 注6
地域支援・医薬品供給対応体制加算1〜5いずれか一方加算2・3は調剤基本料1の薬局、加算4・5は調剤基本料1・特別B以外の薬局が対象告示 区分00 注5、施設基準告示 第十五 四
電子的調剤情報連携体制整備加算月1回同じ患者に月2回以上調剤しても1回告示 区分00 注14
門前薬局等立地依存減算 + 特別調剤基本料A減算は適用されない令和8年5月31日以前に指定を受けた薬局も当面は対象外施設基準告示 第十五 五の六、疑義解釈その2 問8・問9

特別調剤基本料Bは、体制加算だけでなく薬学管理料のほぼ全部が止まります。調剤基本料の届出が漏れていた、という事態がどれだけ重いかがわかる並びです。立地依存減算の細かい適用時期は門前薬局等立地依存減算の解説にまとめています。

分割調剤のときの制限

組み合わせ判定条件・範囲根拠
分割調剤(注9:長期保存困難等)の2回目以降 + 薬学管理料不可調剤管理料と外来服薬支援料2は算定できる告示 区分00 注9
分割調剤(注10:後発医薬品の試用)の2回目 + 薬学管理料不可調剤管理料・服薬管理指導料・外来服薬支援料2は算定できる告示 区分00 注10
注9・注10の分割調剤 + 調剤基本料初回のみ別の薬局で分割する場合は各薬局で算定できる留意事項 区分00 7(1)
注9・注10・注11の分割調剤を同じ薬局で同じ日に注11で算定注9と注10の組み合わせなら、いずれか一方の点数のみ留意事項 区分00 7(1)イ・7(3)ウ
調剤ベースアップ評価料・調剤物価対応料 + 分割調剤の2回目以降不可(初回のみ)別の薬局で分割する場合は各薬局の初回に算定できる疑義解釈その12 問6

一覧② 薬剤調製料の加算

組み合わせ判定条件・範囲根拠
時間外加算・休日加算・深夜加算いずれか一方重複して算定できない留意事項 区分01(9)ア
時間外加算等 + 夜間・休日等加算いずれか一方時間外加算等の要件を満たすなら、時間外加算等を算定する留意事項 区分01(10)ア
時間外加算等 + 時間外調剤の特別料金の徴収不可特別料金を取るなら時間外加算等は算定できない留意事項 区分01(9)ウ
麻薬加算(70点) + 向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算(8点)いずれか一方1調剤行為につき、処方中に麻薬があれば70点、なければ8点留意事項 区分01(8)イ
自家製剤加算 + 計量混合調剤加算不可同じ調剤について告示 区分01 注7、留意事項 区分01(11)オ
無菌製剤処理加算(同じ日に使う複数の製剤)1日1回主たるものの点数のみ留意事項 区分01(7)エ

ひとつ間違えやすいのが、時間外加算等の基礎額です。麻薬等加算、自家製剤加算、計量混合調剤加算、調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算は、時間外加算等と一緒に算定はできますが、倍率を掛ける基礎額には含めません(留意事項 区分01(9)イ)。


一覧③ 調剤管理料と残薬調整・有害事象等防止の新加算

重複投薬・相互作用等防止加算の後継として新設された2つの加算は、疑義解釈で可否が分かれた論点が多いところです。

組み合わせ判定条件・範囲根拠
調剤管理料1(内服薬) + 調剤管理料2(内服薬以外)不可1を算定したら2は算定しない留意事項 区分10の2 1(5)
調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算 + 調剤管理料を算定しない調剤不可調剤管理料の算定が前提留意事項 区分10の2 2(8)・3(5)
調剤時残薬調整加算のイ・ロ・ハ・ニいずれか一方複数の処方で実施しても、受付1回につき1回告示 区分10の2 注3、留意事項 2(9)
薬学的有害事象等防止加算のイ・ロ・ハ・ニいずれか一方複数の処方箋で変更しても1回告示 区分10の2 注4、留意事項 3(6)
薬学的有害事象等防止加算 + 残薬調整のための照会対象外残薬調整に係る照会は有害事象等防止加算の対象にならない告示 区分10の2 注4
薬学的有害事象等防止加算 + 簡素化プロトコルでの事後報告不可疑義照会への対応を評価する加算のため疑義解釈その2 問12
調剤時残薬調整加算 + 簡素化プロトコルでの事後報告条件付き可7日分以上相当の変更なら可。6日分以下はレセプトに理由を書けば可。「プロトコルに定めがある」は理由にならない疑義解釈その2 問11
調剤時残薬調整加算 + 照会で日数・数量が0になった処方条件付き可一部の処方が0なら可。処方箋の全処方が0なら不可疑義解釈その12 問3
両加算 + 服薬管理指導料の特例(13点)の薬局不可手帳の活用実績が相当程度あると認められない薬局告示 区分10の2 注3・注4、留意事項 区分10の3 14(4)

プロトコル運用をしている薬局は、ここが一番の事故ポイントだと思います。同じ「事後報告」なのに、残薬調整は条件付きで可、有害事象等防止は不可。レセコンの自動算定がどちらも立てる設定になっていないか、一度確認しておくのがおすすめです。

ちなみに、長期処方(28日分以上)の患者で残薬調整して実日数が27日分以下になった場合、調剤管理料は1のイ(長期処方)で算定します(疑義解釈その7 問4)。


一覧④ 服薬管理指導料の加算どうし

ここが一番行数が多いです。

組み合わせ判定条件・範囲根拠
特定薬剤管理指導加算1のイ + ロいずれか一方両方に該当しても重複算定不可。受付1回につき1回留意事項 区分10の3 6(5)
特定薬剤管理指導加算2 + 服薬情報等提供料不可加算2で行う文書の情報提供について告示 区分10の3 注8、留意事項 7(6)
特定薬剤管理指導加算2月1回同じ月に2回以上情報提供しても1回留意事項 7(8)
特定薬剤管理指導加算3のイ + ロいずれか一方複数の項目に該当しても重複算定不可留意事項 8(4)
小児特定加算 + 乳幼児服薬指導加算不可—告示 区分10の3 注11、留意事項 10(4)
吸入薬指導加算 + 服薬情報等提供料不可加算で行う文書の情報提供について告示 区分10の3 注12、留意事項 11(5)
服薬管理指導料4のロ・4のハ + 特定薬剤管理指導加算1・2・3/吸入薬指導加算不可在宅のオンライン指導では算定しない告示 区分10の3 注7・注8・注9・注12
服薬管理指導料の特例(13点) + 注6〜注14の加算すべて不可麻薬管理指導、特管1・2・3、乳幼児、小児特定、吸入、かかりつけの両加算告示 区分10の3 注17
特別調剤基本料Aの薬局が特別な関係の医療機関へ情報提供 + 特管2・吸入薬指導加算・かかりつけ薬剤師訪問加算不可—告示 区分10の3 注18

かかりつけ薬剤師の新加算

組み合わせ判定条件・範囲根拠
服薬管理指導料1のイ・2のイ(かかりつけ)1患者1薬局1薬剤師同じ月は同じ薬局の同じ薬剤師で算定留意事項 区分10の3 2(2)エ
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 + 調剤後薬剤管理指導料/在宅患者訪問薬剤管理指導料/居宅療養管理指導費同月不可これらを算定している患者は同じ月に算定できない告示 区分10の3 注13、留意事項 12(4)
かかりつけ薬剤師訪問加算 + 外来服薬支援料1/施設連携加算/在宅患者訪問薬剤管理指導料/服薬情報等提供料/居宅療養管理指導費(ハ)不可これらを算定している患者告示 区分10の3 注14、留意事項 13(5)
かかりつけ薬剤師訪問加算 + 在宅移行初期管理料不可—留意事項 区分15の8(11)
複数の薬局が1のイ・2のイを算定していた患者 + フォローアップ加算・訪問加算不可いずれの薬局も算定できない留意事項 12(5)・13(6)
フォローアップ加算 + 要件の加算(外来服薬支援料1・服用薬剤調整支援料・残薬調整・有害事象等防止)で生じた問題がフォローアップで解消済み不可—疑義解釈その10 問4
フォローアップ加算・訪問加算 + 服薬管理指導料1のロ・2のロ条件付き可再来局時にかかりつけ薬剤師が不在の場合。薬歴にかかりつけ薬剤師の氏名を書く疑義解釈その2 問21・問23

フォローアップ加算の「同月不可」は、糖尿病や慢性心不全で調剤後薬剤管理指導料の対象にもなる患者で引っかかります。どちらで評価するかを患者ごとに先に決めて薬歴に書いておくと、担当が替わっても取り違えません。

旧かかりつけ薬剤師指導料からの変更点はかかりつけ薬剤師指導料の廃止と新体系で詳しく扱っています。


一覧⑤ 外来服薬支援料・調剤後薬剤管理指導料・服薬情報等提供料

服薬情報等提供料は「他の点数で情報提供したら取れない」のパターンが繰り返し出てきます。ここは一覧で見たほうが早いです。

組み合わせ判定条件・範囲根拠
調剤後薬剤管理指導料 + 服薬情報等提供料不可—告示 区分14の4 注1
調剤後薬剤管理指導料の電話等の確認 + 調剤と同日・次の処方箋受付日不可受診勧奨後の受診などの例外あり留意事項 区分14の4(9)
在宅移行初期管理料 + 服薬情報等提供料不可管理料で行う文書の情報提供について留意事項 区分15の8(5)
在宅移行初期管理料 + 外来服薬支援料1同日不可—告示 区分15の8 注1
服薬情報等提供料 + 在宅患者訪問薬剤管理指導料/訪問薬剤管理医師同時指導料を算定している患者不可—告示 区分15の5 注6
服薬情報等提供料月1回医師・歯科医師ごと留意事項 区分15の5(8)
外来服薬支援料1 + 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者不可他の医療機関・薬局が訪問薬剤管理指導中の患者も不可告示 区分14の2 注1、留意事項 1(7)
外来服薬支援料1 + 調剤基本料などの調剤技術料不可処方箋によらない支援のため留意事項 区分14の2 1(4)
外来服薬支援料2 + 外来服薬支援料1不可—留意事項 区分14の2 2(2)
外来服薬支援料2 + 自家製剤加算・計量混合調剤加算不可支援料2を算定した範囲の薬剤について留意事項 区分14の2 2(8)

特管2、吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導料、在宅移行初期管理料。この4つはどれも「医療機関への文書提供」が算定要件に入っていて、その文書で服薬情報等提供料を別に取ることはできません。手順として同じ紙を出しているので、レセコンで両方が立ってしまうと気づきにくい組み合わせです。


一覧⑥ 在宅の指導料

在宅は「同月不可」「同日不可」「いずれか一方」が混在していて、正直いちばんややこしいです。詳しい点数と要件は在宅の加算の解説を見てください。

組み合わせ判定条件・範囲根拠
在宅患者訪問薬剤管理指導料 + 服薬管理指導料同月不可計画に係る疾病と別の疾病・負傷の臨時処方箋と、4のロ・4のハは例外告示 区分10の3 注15、留意事項 区分15 1(11)
在宅患者訪問薬剤管理指導料 + 外来服薬支援料1・服薬情報等提供料同月不可—留意事項 区分15 1(11)
自局の在宅患者訪問薬剤管理指導料 + 他の医療機関・薬局が訪問薬剤管理指導中不可在宅協力薬局として行う場合は別留意事項 区分15 1(3)
服薬管理指導料4のロ(在宅オンライン) + 訪問薬剤管理指導同日不可在宅患者訪問薬剤管理指導料と合わせて月4回まで(末期の悪性腫瘍などは週2回かつ月8回)告示 区分10の3 注5
服薬管理指導料4のハ(急変時オンライン) + 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料いずれか一方オンラインで実施したら4のハ。合わせて月4回まで留意事項 区分15の2(5)
在宅患者緊急時等共同指導料 + 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料不可—告示 区分15の3 注8
在宅患者緊急時等共同指導料 + 在宅患者訪問薬剤管理指導料不可共同指導料を算定する場合留意事項 区分15の3(7)
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注10(感染症患者等への緊急訪問・交付) + 服薬管理指導料不可—告示 区分15の2 注10
訪問薬剤管理医師同時指導料 + 在宅患者緊急時等共同指導料/在宅移行初期管理料同日不可—告示 区分15の9 注2
複数名薬剤管理指導訪問料 + 在宅患者緊急時等共同指導料/在宅移行初期管理料/訪問薬剤管理医師同時指導料同日不可—告示 区分15の10 注2
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算 + 麻薬管理指導加算(在宅)いずれか一方—告示 区分15 注3、留意事項 区分15 3(6)
小児特定加算(在宅) + 乳幼児加算(在宅)いずれか一方—告示 区分15 注5
在宅移行初期管理料 + 計画的な訪問薬剤管理指導別の日に行う計画的な訪問より前の別の日に訪問した場合に、初回算定月に1回留意事項 区分15の8(6)

新設の訪問薬剤管理医師同時指導料と複数名薬剤管理指導訪問料の制限は「同日不可」であって「同月不可」ではありません。訪問の日をずらせば両方算定できる、ということでもあります。

もうひとつ。訪問薬剤管理医師同時指導料は、同行した医師が在宅時医学総合管理料を算定したことを医療機関に確認してから算定します(疑義解釈その9 問2)。


一覧⑦ 介護保険(居宅療養管理指導費)との給付調整

要介護・要支援の認定を受けている患者は、在宅の訪問は原則として介護保険の居宅療養管理指導費で算定します。医療保険の側では、次のものが制限されます。

組み合わせ判定条件・範囲根拠
居宅療養管理指導費(薬剤師) + 服薬管理指導料同月不可計画に係る疾病と別の疾病・負傷の臨時投薬は例外告示第119号 別表第二 二十四
居宅療養管理指導費 + 外来服薬支援料1同月不可—告示第119号 別表第二 二十五
居宅療養管理指導費 + 服薬情報等提供料同月不可—告示第119号 別表第二 二十九
居宅療養管理指導費 + 在宅患者緊急時等共同指導料同日不可—告示第119号 別表第二 二十八、給付調整通知
要介護被保険者等 + 医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料不可介護保険の居宅療養管理指導費で算定。介護老人福祉施設等の入所者は末期の悪性腫瘍の患者に限り例外告示第119号、給付調整通知 別紙1
居宅療養管理指導費(ハ) + かかりつけ薬剤師訪問加算不可—告示 区分10の3 注14
居宅療養管理指導費 + かかりつけ薬剤師フォローアップ加算同月不可—留意事項 区分10の3 12(4)

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料や外来服薬支援料2は、自宅等で療養する要介護の患者でも医療保険で算定できます(給付調整通知 別紙1。施設の入所者は別の制限あり)。


「不可」だと思われがちで、実は算定できる組み合わせ

ここまで「取れない」側を並べてきましたが、現場で同じくらい多いのは取れるのに取っていないほうです。

組み合わせ判定根拠
調剤時残薬調整加算 + 服薬情報等提供料1可(減量した上で情報提供欄の指示による減数調剤で、残薬の理由を分析して文書提供した場合)疑義解釈その2 問10
特定薬剤管理指導加算3 + 特定薬剤管理指導加算1・2可(それぞれの要件を満たせば)留意事項 区分10の3 8(5)
特定薬剤管理指導加算2 + 他の医療機関への服薬情報等提供料可(他院・他科の処方薬について別に情報提供し、要件を満たす場合)留意事項 区分10の3 7(9)
外来服薬支援料2 + 調剤基本料などの調剤技術料可留意事項 区分14の2 2(9)
経管投薬支援料 + 服薬情報等提供料1・2・3可(要件を満たす場合)留意事項 区分15の7
服薬情報等提供料2(介護支援専門員あて) + 服薬情報等提供料2(処方医あて)可(相手に応じた内容で)留意事項 区分15の5(9)
服用薬剤調整支援料2 + 在宅患者訪問薬剤管理指導料等可(かかりつけの同意を得て服用薬剤総合評価を行った場合)留意事項 区分14の3
調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算 + 在宅を含むすべての指導料可留意事項 別表1
特定薬剤管理指導加算1 + 特定薬剤管理指導加算2明文の制限なし告示・留意事項・疑義解釈その1〜13に記載なし

最後の行は少し補足させてください。特管1と特管2を同じ患者に算定する場面は、抗悪性腫瘍剤の外来化学療法でけっこうあります。「なんとなく不可」と覚えている人も多いのですが、今回探した範囲では併算定を禁じる文言は見つかりませんでした。加算2の制限として書かれているのは、月1回、服薬情報等提供料と併算定不可、4のロ・ハでは不可、の3つだけです。特管1の算定要件そのものは特管1の解説にまとめています。


2024年度版の表を使い回さないために

古い一覧表をそのまま貼っている薬局は、次の名前が残っていないか確認してください。2026年度の告示・通知にはもう出てきません。

2024年度の名前2026年度
重複投薬・相互作用等防止加算廃止。調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算に分かれた(地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績やフォローアップ加算の要件では、旧加算の算定をみなして数えられる。疑義解釈その1 問1、その7 問6)
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料区分15の6は削除。在宅患者の処方変更・日数変更は、上の2加算の「イ・ロ」で評価
かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料廃止。服薬管理指導料1のイ・2のイ(かかりつけ薬剤師が実施)と、フォローアップ加算・訪問加算
医療DX推進体制整備加算電子的調剤情報連携体制整備加算(月1回)

特に「重複投薬・相互作用等防止加算は○○と併算定不可」という行は、そのまま新加算に置き換えると間違えます。有害事象等防止加算は残薬調整の照会を対象にしないなど、評価の軸が変わっているからです。


現場で事故らないための3つの確認

管理薬剤師をしていた頃の経験でいうと、併算定のミスは「知らなかった」より「レセコンが立てた加算をそのまま通した」から起きることのほうが多いです。一覧を覚えるより、仕組みで止めるほうが効きます。

  1. 情報提供系の自動算定を見直す:特管2、吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導料、在宅移行初期管理料を算定した処方で、服薬情報等提供料が同時に立たない設定になっているか
  2. 「同月」と「同日」を分けて管理する:かかりつけフォローアップ加算と在宅・居宅療養管理指導は同月、医師同時指導料・複数名訪問料は同日。カレンダーの見方が違う
  3. 患者ごとの算定方針を薬歴に書く:フォローアップ加算か調剤後薬剤管理指導料か、在宅移行の初日はいつか。担当が替わっても判断がぶれない

ぼくはエンジニアとしてレセコンの中身をいじる立場ではありませんが、この手のチェックは「算定項目の組み合わせ×月」の集計をBIツールで出すだけでもぐっと見つけやすくなります。月末の請求前に一度、組み合わせで絞り込んでみてください。


よくある質問

Q. 特定薬剤管理指導加算1と特定薬剤管理指導加算2は同時に算定できますか?

2026年10月時点の告示・留意事項通知・疑義解釈(その1〜その13)には、加算1と加算2の併算定を禁じる記述が見当たりません。加算2の制限として明記されているのは、月1回まで、服薬情報等提供料と併算定不可、服薬管理指導料4のロ・ハでは算定不可、の3つです。加算3については、留意事項通知に「それぞれの所定の要件を満たせば加算1又は加算2を算定できる」とあります。

Q. かかりつけ薬剤師フォローアップ加算と調剤後薬剤管理指導料は同じ月に算定できますか?

できません。留意事項通知に、調剤後薬剤管理指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については「同月において算定できない」とあります。

Q. 調剤時残薬調整加算と服薬情報等提供料1は併算定できますか?

できます。疑義解釈(その2)問10で、処方箋の「減量した上で情報提供」欄の指示により減数調剤し、残薬が生じた理由を薬学的に分析して文書で情報提供した場合、服薬情報等提供料1と調剤時残薬調整加算は「いずれも可能」とされています。

Q. 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月に服薬管理指導料は算定できますか?

原則できません。例外は、薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病・負傷に係る臨時の処方箋で調剤した場合と、情報通信機器を用いた服薬管理指導料4のロ・4のハです。


まとめ

  • 薬学管理料どうしの可否は、留意事項通知の別表1が公式の一覧。まずここを見る
  • 別表1に載らない「加算どうし」の制限で多いのは、服薬情報等提供料との二重取りと、かかりつけ新加算の同月不可
  • 在宅は同月・同日・いずれか一方が混在。新設の医師同時指導料・複数名訪問料は同日不可
  • 残薬調整加算+服薬情報等提供料1、特管3+特管1・2のように、取れるのに取りこぼしやすい組み合わせもある

疑義解釈はまだ出続けているので、新しい号で可否が変わったらこの表を更新します。「この組み合わせも載せてほしい」「うちの地域ではこう指導された」という話があれば、X(@hagakun_yakuzai)で教えてください。


参考資料(一次情報)