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【2026年 薬局 管理料】調剤管理料・服薬管理指導料の全変更点を徹底解説|算定シミュレーション付き

はじめに:2026年の薬局管理料改定が経営を変える

2026年度(令和8年度)の調剤報酬改定が2026年2月に答申され、施行日は2026年6月1日と決まりました。今回の改定は薬局の管理料体系を根本から見直す内容であり、薬局経営に直結する大きな影響をもたらします。

薬局の収益を構成する「管理料」とは、大きく分けて以下の項目群を指します。

  • 調剤管理料(処方内容の確認・薬歴管理に対する評価)
  • 服薬管理指導料(患者への服薬指導・情報提供に対する評価)
  • 各種加算(かかりつけ薬剤師関連加算、薬学的有害事象等防止加算、調剤後薬剤管理指導料など)

2026年の薬局管理料改定では、調剤管理料の日数区分が4区分から2区分に大幅簡素化され、かかりつけ薬剤師指導料(76点)と包括管理料(291点)が廃止されて服薬管理指導料に統合されるなど、構造的な変化が数多く含まれています。

本記事では、2026年の薬局管理料に関するすべての変更を、旧制度との比較・算定シミュレーション・薬局タイプ別の影響分析とともに網羅的に解説します。

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調剤管理料の変更:4区分から2区分への大幅簡素化

旧制度(2024年度まで)の問題点

従来の調剤管理料(内服薬)は、処方日数に応じた4段階の区分で設定されていました。

処方日数旧点数
7日分以下4点
8日分〜14日分28点
15日分〜28日分50点
29日分以上60点

この4区分体系には以下の課題がありました。

  • 処方日数によって点数が大きく変動し、算定が煩雑
  • 日数の境界(7日/14日/28日)をまたぐかどうかで収入が大きく変わる構造的な歪み
  • 短期処方(7日以下)の評価が4点と極端に低い

2026年の新制度:シンプルな2区分

2026年6月からは、内服薬の調剤管理料が以下の2区分に再編されます。

区分新点数
長期処方(28日分以上)60点
その他(27日分以下)10点
注射薬・外用薬等10点(旧4点から増点)

新旧比較:処方日数別の影響

処方日数旧点数新点数増減
7日分以下4点10点+6点(2.5倍)
8日〜14日分28点10点-18点
15日〜28日分50点10点-40点
29日分以上60点60点据置

注目すべきポイント:

  • 7日以下の処方:4点から10点へ2.5倍に増点。短期処方の評価が引き上げられました
  • 8日〜28日の処方:28〜50点から10点へと大幅な減点。この日数帯の処方が多い薬局は減収リスクが大きい
  • 29日以上の長期処方:60点で据置。長期処方が主体の薬局への影響は限定的
  • 注射薬・外用薬等:4点から10点への増点

調剤管理加算の廃止

従来の調剤管理加算(初回3点、変更時3点)は廃止されました。代わりに、後述する調剤時残薬調整加算や薬学的有害事象等防止加算が新設されています。


服薬管理指導料の変更:かかりつけ薬剤師指導料との統合

廃止された2つの大きな項目

今回の改定で、以下の2項目が廃止されました。

廃止項目旧点数
かかりつけ薬剤師指導料76点
かかりつけ薬剤師包括管理料291点

これらは独立した算定項目としては消滅し、服薬管理指導料の枠組みの中に統合されました。

新しい服薬管理指導料の体系

2026年6月からの服薬管理指導料は、「かかりつけ薬剤師が行った場合」「その他の薬剤師が行った場合」の区分が服薬管理指導料の中で明確化される構造になります。

区分点数備考
3月以内再来の患者(お薬手帳提示あり)45点かかりつけ薬剤師・その他を問わず
その他の患者59点初回来局・3月超の再来・手帳なし
施設訪問45点月4回限度
オンライン服薬指導45〜59点対面と同等の点数体系

旧制度との比較

旧制度旧点数新制度新点数
服薬管理指導料(3月以内再来・手帳あり)45点服薬管理指導料(同条件)45点
服薬管理指導料(その他)59点服薬管理指導料(その他)59点
かかりつけ薬剤師指導料76点廃止→服薬管理指導料に統合45〜59点+各種加算
かかりつけ薬剤師包括管理料291点廃止

改定の本質:看板から実績へ

旧制度では「かかりつけ薬剤師指導料(76点)」を算定すれば、それだけで指導の質が一定以上と評価されていました。しかし新制度では、服薬管理指導料の基本点数は他の薬剤師と同じ(45〜59点)であり、かかりつけ薬剤師の価値は後述する各種加算の算定実績で示す必要があります。

つまり、「かかりつけ薬剤師です」という看板ではなく、「実際にフォローアップした」「残薬を調整した」「有害事象を防止した」という実績が収入に直結する体系に変わったということです。


かかりつけ薬剤師関連の新加算体系

かかりつけ薬剤師制度の変更についてさらに詳しく知りたい方は、【かかりつけ薬剤師】2026年制度の全変更点を徹底解説もあわせてご覧ください。

全体像

かかりつけ薬剤師指導料(76点)の廃止に伴い、かかりつけ機能は「対人業務の質を評価する加算群」として再設計されました。

新設加算点数頻度主な算定要件
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点3月に1回残薬調整加算等の算定済み患者に対する継続フォロー
かかりつけ薬剤師訪問加算230点6月に1回かかりつけ薬剤師による患家訪問
調剤時残薬調整加算30〜50点算定要件充足時残薬確認・処方提案
薬学的有害事象等防止加算30〜50点算定要件充足時副作用・相互作用の防止

かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)の詳細

この加算は、かかりつけ薬剤師による継続的な服薬フォローアップを評価するものです。

算定要件:

  1. 地方厚生局長等にあらかじめ届出を行った保険薬局であること
  2. お薬手帳を提示した患者であること(継続的かつ一元的に服薬管理している者に限る)
  3. 患者またはその家族等の同意を得ていること
  4. 当該薬局の特定の保険薬剤師(かかりつけ薬剤師)が必要な指導等を行うこと
  5. 調剤基本料の注2に規定する保険薬局(特別調剤基本料A)では算定不可

前提となる実績: 同一患者に対して、以下のいずれかを既に算定していることが前提条件です。

  • 外来服薬支援料1
  • 服用薬剤調整支援料1/2
  • 調剤時残薬調整加算
  • 薬学的有害事象等防止加算

つまり、まず具体的な対人業務の実績を作り、その後のフォローアップで加算を算定するという二段階構造です。

注意点: 調剤後薬剤管理指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定中の患者は対象外です。

かかりつけ薬剤師訪問加算(230点)の詳細

「プレ在宅」とも言える、かかりつけ薬剤師による単発の訪問介入を評価する加算です。

  • 6月に1回の算定
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料とは別枠の評価
  • 在宅医療に本格的に移行する前段階の訪問ニーズに対応

施設基準

かかりつけ薬剤師関連の加算を算定するには、以下の施設基準を満たす必要があります。

  • 当該薬局に勤務する常勤保険薬剤師の平均在籍期間が1年以上であること、または管理薬剤師が継続して3年以上在籍していること
  • 患者のプライバシーに配慮した独立したカウンター等を有すること

かかりつけ薬剤師加算の算定フロー

以下は、かかりつけ薬剤師関連の加算を段階的に算定していく流れです。

flowchart TD
    A["来局患者の対応"] --> B{"かかりつけ薬剤師<br/>として同意を<br/>得ているか?"}
    B -->|No| C["服薬管理指導料<br/>45〜59点のみ"]
    B -->|Yes| D{"残薬・有害事象等<br/>の介入機会は<br/>あるか?"}
    D -->|No| E["服薬管理指導料<br/>45〜59点のみ"]
    D -->|Yes| F{"介入の内容"}
    F -->|残薬確認・処方提案| G["調剤時残薬調整加算<br/>30〜50点を算定"]
    F -->|副作用・相互作用防止| H["薬学的有害事象等<br/>防止加算<br/>30〜50点を算定"]
    G --> I{"次回来局時に<br/>フォローアップ<br/>を実施したか?"}
    H --> I
    I -->|Yes| J["かかりつけ薬剤師<br/>フォローアップ加算<br/>50点を算定<br/>(3月に1回)"]
    I -->|No| K["フォローアップ加算<br/>は算定不可"]
    B -->|Yes| L{"訪問の必要性は<br/>あるか?"}
    L -->|Yes| M["かかりつけ薬剤師<br/>訪問加算<br/>230点を算定<br/>(6月に1回)"]

薬学的有害事象等防止加算:重複投薬防止加算からの進化

旧制度の廃止

以下の2項目が廃止されました。

廃止項目旧点数
重複投薬・相互作用等防止加算20〜40点
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料20〜40点

新設:薬学的有害事象等防止加算(30〜50点)

旧制度の「重複投薬・相互作用等防止」という限定的な枠組みから、「薬学的有害事象の防止」というより広い概念での評価に変わりました。

対象点数
かかりつけ薬剤師が対応した場合50点
在宅患者に対して対応した場合50点
その他の場合30点

旧制度との比較

項目旧制度新制度
名称重複投薬・相互作用等防止加算薬学的有害事象等防止加算
点数20〜40点30〜50点(増点)
対象範囲重複投薬・相互作用重複投薬・相互作用+副作用全般
確認方法薬歴・処方箋電磁記録による確認を含む
かかりつけ評価なしかかりつけ薬剤師なら50点

具体的な算定場面

場面1:重複投薬の発見と処方変更

複数の医療機関から同一成分の薬剤が処方されている場合、電子薬歴や電子処方箋の情報をもとに重複を発見し、処方医に照会して処方変更が実施された場合に算定。

場面2:相互作用の防止

新規処方薬と既存の服用薬との間に相互作用リスクを発見し、処方医に照会して処方変更・用量調整が行われた場合に算定。

場面3:副作用リスクの低減

患者の腎機能・肝機能等に基づき、用量が過量と判断される場合や、患者の副作用歴に照らして代替薬の提案を行い、処方変更が実施された場合に算定。

調剤時残薬調整加算(30〜50点)

薬学的有害事象等防止加算と同様の構造で新設された加算です。

対象点数
かかりつけ薬剤師が対応した場合50点
在宅患者に対して対応した場合50点
その他の場合30点

算定要件: 患者から残薬を確認し、7日分以上の処方日数変更を含む処方提案を行い、処方医の了承を得て処方変更が実施された場合に算定します。


調剤後薬剤管理指導料・外来服薬支援料の変更

調剤後薬剤管理指導料(60点)

調剤後薬剤管理指導料は、糖尿病患者および慢性心不全患者を対象に、調剤後の電話等によるフォローアップと処方医への情報提供を評価する指導料です。

対象疾患点数算定頻度
糖尿病患者(新規糖尿病用剤の処方)60点月1回
慢性心不全患者(入院歴あり・複数薬剤)60点月1回

算定要件のポイント:

  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算を届け出ている保険薬局であること
  • 調剤後に電話等で服用状況・体調変化(副作用疑い等)を確認
  • その結果を受診中の医療機関に文書で情報提供すること
  • 服薬情報等提供料との併算定は不可

2026年改定では、調剤後薬剤管理指導料そのものの点数に大きな変更はありませんが、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算との棲み分けが重要になります。調剤後薬剤管理指導料を算定中の患者にはフォローアップ加算は算定できないため、どちらで算定するかの判断が必要です。

外来服薬支援料

外来服薬支援料は、患者の服薬管理を支援する薬学管理料です。

区分点数概要
外来服薬支援料1185点一包化・お薬カレンダー等による服薬管理支援(月1回)
外来服薬支援料234点/7日〜240点処方ごとの一包化支援

外来服薬支援料1は、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定前提となる実績項目のひとつです。この支援料を積極的に算定することが、フォローアップ加算への道筋となります。


在宅関連の管理料変更

2026年の改定では、在宅業務に関連する管理料も大幅に拡充されました。在宅業務の変更点を網羅的に確認したい方は、【在宅加算】2026年在宅業務の全変更点を徹底解説もあわせてご覧ください。

新設・変更された在宅関連項目

項目点数変更内容
複数名薬剤管理指導訪問料300点(新設)医師の指示による複数名訪問
訪問薬剤管理医師同時指導料150点(新設)6月に1回、医師との同行訪問
在宅薬学総合体制加算130点旧15点から倍増
在宅薬学総合体制加算250〜100点単一建物1人の場合100点
無菌製剤処理加算各種増点対象年齢 6歳未満→15歳未満に拡大

在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔撤廃

従来は「前回の訪問から6日以上の間隔」が必要でしたが、この制限が撤廃されました。患者の状態に応じて、週1回の訪問が可能になります。

無菌製剤処理加算の増点

対象年齢の拡大(6歳未満→15歳未満)に加え、点数も大幅に引き上げられました。

区分改定前改定後
中心静脈栄養法69点237点
抗悪性腫瘍剤79点147点
麻薬69点137点

小児在宅医療における薬局の役割がより手厚く評価される形です。

かかりつけ薬剤師訪問加算との使い分け

在宅患者訪問薬剤管理指導料は、継続的な在宅管理を前提とした指導料です。一方、かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回)は、在宅医療への本格移行前の単発の訪問介入を評価するものです。

患者の状態や訪問の継続性に応じて、適切な算定項目を選択する必要があります。


具体的な算定シミュレーション:患者1人あたりの管理料収入

シミュレーション1:慢性疾患の長期処方患者(高血圧・脂質異常症)

条件:

  • 処方日数:30日分
  • 3月以内の再来局、お薬手帳提示あり
  • かかりつけ薬剤師あり
  • 残薬なし、特段の介入なし
項目旧制度新制度
調剤管理料60点60点
かかりつけ薬剤師指導料76点―(廃止)
服薬管理指導料―(上記に含まれる)45点
管理料合計136点105点
差額-31点(-310円)

単純なかかりつけ指導料の算定のみでは減収となります。

シミュレーション2:かかりつけ機能を発揮した長期処方患者

条件:

  • 処方日数:30日分
  • 3月以内の再来局、お薬手帳提示あり
  • かかりつけ薬剤師あり
  • 残薬7日分以上を確認し、処方提案→処方変更実施
  • 前回算定実績に基づくフォローアップ加算あり
項目旧制度新制度
調剤管理料60点60点
かかりつけ薬剤師指導料76点―(廃止)
服薬管理指導料45点
調剤時残薬調整加算―(旧制度になし)50点
フォローアップ加算―(旧制度になし)50点
管理料合計136点205点
差額+69点(+690円)

対人業務の実績がある場合は大幅な増収が可能です。

シミュレーション3:短期処方の急性期患者(風邪等)

条件:

  • 処方日数:5日分
  • 初回来局
項目旧制度新制度
調剤管理料4点10点
服薬管理指導料59点59点
管理料合計63点69点
差額+6点(+60円)

7日以下の短期処方では微増となります。

シミュレーション4:2週間処方の定期通院患者

条件:

  • 処方日数:14日分
  • 3月以内の再来局、お薬手帳提示あり
項目旧制度新制度
調剤管理料28点10点
服薬管理指導料45点45点
管理料合計73点55点
差額-18点(-180円)

14日処方が中心の薬局では、管理料だけで1件あたり180円の減収です。月500件の処方があれば、管理料だけで月9万円の減収になります。

シミュレーション5:在宅患者への訪問管理

条件:

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定
  • かかりつけ薬剤師による対応
  • 重複投薬を発見し処方変更を実現
項目旧制度新制度
在宅患者訪問薬剤管理指導料517点517点
重複投薬・相互作用等防止加算40点―(廃止)
薬学的有害事象等防止加算―(旧制度になし)50点
在宅薬学総合体制加算115点30点
管理料合計572点597点
差額+25点(+250円)

在宅業務では、点数の引き上げと新加算の組み合わせにより増収が見込めます。


薬局タイプ別の影響分析

門前薬局(特定医療機関の長期処方が中心)

影響度:中

長期処方(28日以上)が中心であれば、調剤管理料は60点据置のため影響は限定的です。ただし、かかりつけ薬剤師指導料(76点)を多く算定していた場合は、服薬管理指導料(45〜59点)への移行で1件あたり17〜31点の減収となります。

対策:

  • 残薬調整や有害事象防止の介入を増やし、新加算で補填
  • フォローアップ加算の算定体制を構築

面分業型の地域密着薬局

影響度:大(プラス方向の可能性)

かかりつけ薬剤師機能を発揮しやすい環境にあるため、新加算(フォローアップ50点、訪問230点、残薬調整30〜50点、有害事象防止30〜50点)をフル活用すれば、旧制度を上回る収入を得ることが可能です。

対策:

  • かかりつけ薬剤師の同意取得を推進
  • 残薬確認・フォローアップの標準化ワークフロー構築
  • 在宅業務との連携強化(プレ在宅→本格在宅への移行パス)

短期処方・2週間処方が多い薬局(精神科・小児科門前等)

影響度:大(マイナス方向)

調剤管理料が28点→10点(14日処方)、50点→10点(28日処方)と大幅に減少するため、最も大きな打撃を受ける薬局タイプです。

対策:

  • 処方医との連携により、長期処方化が可能な患者の洗い出し
  • 薬学的有害事象等防止加算の算定機会を積極的に創出
  • 多剤併用患者への残薬調整提案の強化

在宅重点薬局

影響度:大(プラス方向)

在宅薬学総合体制加算の倍増(15点→30点)、算定間隔の撤廃、無菌製剤処理加算の増点など、在宅業務全体が大幅に評価アップしています。

対策:

  • 訪問頻度の最適化(算定間隔制限撤廃の活用)
  • 無菌製剤処理の対応能力拡充(15歳未満への拡大対応)
  • 複数名訪問体制の整備(300点の新設加算活用)

薬局タイプ別の詳細な経営戦略はこちら:


2026年 薬局 管理料改定への対策:5つのアクションプラン

1. 算定シミュレーションの実施

自薬局の処方箋構成(日数分布・患者属性・かかりつけ算定状況)をもとに、新旧制度の比較シミュレーションを行いましょう。特に以下の数値を把握することが重要です。

  • 28日以上の処方箋が全体に占める割合
  • 8〜28日処方の件数と減収影響額
  • かかりつけ薬剤師指導料の現在の算定件数

2. かかりつけ薬剤師の同意取得推進

フォローアップ加算(50点)と訪問加算(230点)はかかりつけ薬剤師のみが算定可能です。同意を得ている患者数を増やすことが、新制度での収入確保に直結します。

施設基準の確認項目:

  • 常勤薬剤師の平均在籍期間が1年以上か
  • 管理薬剤師が3年以上在籍しているか
  • プライバシーに配慮した独立カウンターがあるか

3. 介入実績の「見える化」体制構築

残薬調整加算や薬学的有害事象等防止加算は、介入実績がそのまま収入につながります。以下の記録・管理体制を構築しましょう。

  • 残薬確認件数と処方変更提案件数の月次集計
  • 有害事象防止介入(重複投薬・相互作用・副作用リスク低減)の記録
  • フォローアップ実施件数と内容の記録

4. 在宅業務の体制強化

在宅関連の管理料が大幅に拡充されています。現在在宅業務を行っていない薬局も、かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回)を入口として在宅業務への参入を検討する価値があります。

5. 電子処方箋・DX対応の加速

薬学的有害事象等防止加算の算定には、電磁記録による情報確認が重要な役割を果たします。電子処方箋システムの導入・活用を加速させ、重複投薬や相互作用の発見機会を増やしましょう。

電子的調剤情報連携体制整備加算(加算1:8点、加算2:8点、加算3:6点)の算定も並行して進めることが重要です。


管理料以外の注目すべき変更

2026年の薬局管理料を正しく理解するには、関連する他の改定項目も把握しておく必要があります。

調剤基本料の引き上げ

すべての調剤基本料が引き上げられました。管理料の減収分を基本料の増点で一部カバーできる可能性があります。

区分改定前改定後
基本料145点47点
基本料229点30点
基本料3イ24点25点
基本料3ロ19点20点
基本料3ハ35点37点

調剤基本料の詳細は【2026年 薬局 基本料】調剤基本料の全区分を徹底解説をご覧ください。

選定療養の変更

長期収載品の自己負担が後発品との価格差の1/4から1/2に引き上げられます。後発品への切り替えが進むことで、薬剤料は減少する可能性がありますが、切り替え提案に伴う対人業務の機会は増加します。

医療DX関連

項目変更内容
電子的調剤情報連携体制整備加算加算1(8点)、加算2(8点)、加算3(6点)
医療情報取得加算廃止
バイオ後続品調剤体制加算50点(新設)

まとめ:2026年の薬局管理料は「実績主義」への転換

2026年度の薬局管理料改定は、「体制・看板から実績・成果へ」という明確な方向転換を示しています。

変更の方向性具体的な変化薬局への影響
調剤管理料の簡素化4区分→2区分中間日数帯は減収、短期・長期は据置〜増点
かかりつけ機能の統合指導料76点廃止→服薬管理指導料+加算実績なければ減収、実績あれば増収
対人業務の新評価残薬調整・有害事象防止の加算新設介入実績が直接収入に
在宅の拡充体制加算倍増、間隔撤廃、新設指導料在宅重点薬局は増収
DX連携電子処方箋活用による情報確認有害事象発見の機会増

施行は2026年6月1日です。残り約3か月の準備期間で、以下の3点を最優先で進めましょう。

  1. 自薬局の処方箋構成分析と新旧制度での収入シミュレーション
  2. かかりつけ薬剤師の同意取得と介入実績の記録体制構築
  3. 電子処方箋・DXインフラの整備と薬学的有害事象防止の運用フロー確立

今回の改定は、日々の対人業務を丁寧に積み重ねている薬局にとってはチャンスとなり得る改定です。新しい管理料体系を正しく理解し、早めに対応を進めていきましょう。


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参考リンク